ハント 旅情編




  幻の女探しにも煮詰まってきた俺はある日ふと思いついた。

  「そうだ、京都、行こう…。」

  いずれは日本全国をまわらなければならないことになるだろうとは思っていた。

  まず京都からというのは悪い選択ではない。

  憧れの地、京都。運がよければ謎の連続殺人事件に遭遇できるかも知れない。

  加茂川べりを歩く船越栄一郎や大原の里にたたずむ山村紅葉に会うことができるかも知れないのだ。

  そう思うと俺は、矢も盾もたまらずタクシーに飛び乗り東京駅へ、ひかりレールスターの乗客となった。



  京都駅に降り立った俺の目に最初に飛び込んできたのは無粋な黒い壁のような駅ビルだった。

  「なんだ、こりゃ…。」俺のイメージする古都京都とのギャップにすこし失望しながらとりあえず地下街へともぐる。

  東京のように人でごったがえすというほどではないがそれなりに人が行き来している。

  俺はいつもの癖で街行く女たちを観察する。

  若い女も少なくない。おそらく学生なのだろう。

  ブーツにミニスカートのなかなかスタイルも顔もいい二人組に俺の目が止まった。

  ふん、まあまあイけるほうか…と見ていると横から黒っぽいジャケットに帽子をかぶった男がいきなりその女たちに近づき。

  「ちょもらんま!!」

  と声をかける。おどろいて見つめる二人の女に、「ねえ、ちょっとお茶でもしない?こいつと二人で遊びに来たんだけどなんだかもうひとつノリがわるくってさあ…。」

  と中途半端な標準語でべらべらとその男はしゃべりだす。男の横にはもうひとり男が直立不動で立っている。なにもしゃべらない。

  ナンパされているということにようやく気づいた二人の女はさっさと無視していってしまう。

  「ちっ、また、ガンシカくろたやないか、ほんまに。そやからポルタは嫌や言うたんや。お前がどうしても京都の女子大生ナンパしたい言うから来たっちゅうのに…。」

  「だめだあー。」直立不動の男が初めて発した言葉だった。



  *参考リンク*
  EGO大辞典 http://www.cmo.jp/users/nov/EGO_Dic/jiten.htm
  京都駅地下街ポルタ http://www.porta.co.jp/


  その後もその男たちはいろいろと場所を変えては「ちょもらんま!!」を繰り返していたが、一向に成功する様子はなかった。

  俺もいつまでもそんなものを見ているほど暇ではない。

  行こうとすると、さっきの女二人が買い物を終えたのか、また向こうからこちらへと歩いてくる。

  京都を女連れで観光するのも悪くない。俺はそう考えて歩いてくる二人に手を軽くかざす。

  俺が強力な波を送れば女たちは瞬間に股間がジュンとなる。

  「は。」「はう?」立ち止まる二人。

  少しかがんで股をすり合わせるような姿勢で立って熱い目で、俺を見つめる。

  そうだ、欲情しろ。俺をみてもっともっと欲情するんだ。

  やや、上気した顔で息を荒くしてじっと俺を見ている女たち。

  少し間をおいて、俺が小声で「来い。」

  と言うと、二人はうれしそうに俺の両脇にまわり腕を組み、しなだれかかる。

  「うふん。」「うれしい…。」

  「俺のことはキミトとよべ。」

  「キミト…。」「うふ、キミトー。」

  俺に触れることでとても心地よい性的興奮を味わっている二人。

  別に京都まで女漁りに来たわけではないが、言わば、もののついでだ。

  じっくりと古都を案内してもらうことにしようか。



  二人を連れて行こうとすると、ナンパに精を出していたさっきの男たちが、だっと駆け寄ってくる。近くで見ると思ったより年は食っているようだ。

  女を横取りされた文句でもつけに来たのかと思ったのだが…。

  帽子の男がいきなり道に座り込み両手をついて頭を下げる。

  「まいりましたー!さぞかし名のあるナンパ師とお見受けいたしました。

  ぜひともナンパ道の極意をご伝授くださいませ〜。ほら、お前も頭さげんかい!!」

  と、横で突っ立っているもう一人の男を小突く。

  京都くんだりまで来て、男につきまとわれるなんてまっぴらごめんだ。

  「おねがいいたしますぅ〜。」ひたすら頭を下げている男を見ながらどうやっておっぱらうかと考える。

  …う〜ん少しもったいないが仕方がない。

  俺は両脇にいる女にサッと手をかざす。

  女たちはスっと俺の横をはなれると、男たちのそばへ近づき、そっと立ち上がらせると腕を組んでしがみつく。

  「うふん…。」「うふふふ…。」

  そして俺はすかさず男たちに手をかざす。

  「その女はお前たちが自分でナンパしてゲットした。女はお前たちにもうメロメロなので何してもかまわない。俺にあったことは忘れる。じゃ。」

  俺はその場を足早に立ち去る。

  後ろのほうから「即じゃ〜、ひさびさの即じゃ〜!!」という叫び声が聞こえた。

  

  さて、これからどこへいこうか。せっかく京都へ来たのだから舞妓さんなどとなかよしになりたいものだ。

  でも祇園ってどっちにいけばいいんだ。

  とりあえず高いところへ登って京都全体を見下ろせばだいたいの感じがつかめるだろうと思い展望台があるという駅前にある妙な白いタワーにのぼる。

  あまり高い建物がないので、ほぼ市中を見渡すことができる。

  さすが1000年の古都、町のいたるところから立ち上る霊気のようなものを感じることができる。

  この都市なら俺のさがす女もみつかるかもしれない。

  期待に胸がふくらむ。だが、そのまえにまず舞妓さんだ。

  俺はタクシーを拾うと「祇園」と一言だけ告げた。

 

戻る

動画 アダルト動画 ライブチャット