made in heaven 1




  学校の帰り。僕がコンビニで買い物をして家までの道を歩いていると公園のベンチにしゃがみ込んでいる男の人がいた。

  ただ座っているだけなら僕も気にとめなかったと思う。でもその男の人はいろんな意味で普通ではなかった。

  背も高いし脚もとてつもなく長い。頭も小さいのでどうも外人さんらしい。

  でもなによりおかしいのは―その外人は高そうなスーツを着ているのだけど―背中に大きな羽らしきものをつけているところだった。

  コスプレパーティの帰り、にしてはなんか不自然だし。まあ、なにかの罰ゲームとかなんだろうけど、とにかくぐったりしている様子だったので声をかけることにした。

 「あの、だいじょうぶですか?」

 「え?」

  意外そうに僕を見つめる、その顔はやはり目の青い外人さんだった。

  僕の言っていることは理解しているようだったので日本語は多分わかるんだろう。

  たしかに彼が発した次の言葉は流ちょうな日本語だった。だったけど。

 「君、僕のことが見えるの?」

   「…はあ?」

     訳のわからないことを言う。やっぱり相手にしてはいけないジャンルの人だったんだ。

  でも、まあ声をかけてしまったものは仕方がない。

 「ええ、その、つらそうにみえたもんで。水ぐらいならありますがお飲みになりますか?」

 「ありがとう、飲ませてもらえればとてもありがたい」というのでミネラルウォーターのペットボトルを手渡すとゴクゴクと一気に飲んでしまった。

 「ふう、生き返った。ほんとにあのジジイどもは人使いがあらいんだから…。地上に降りてくるのも楽じゃないんだよ。ああ、水ありがとね」

 「いいえ、あの、日本語お上手ですね」

 「え?あはは、そうか。そうだね。僕は日本語をしゃべっている、か」

  やっぱりおかしい人のようだ。ここはなんとかごまかして逃げ出すことにしよう。

 「いやあ、ちょっとお使い頼まれたんだけど、地上で動こうと思えば実体化しなくちゃ行けないし、でも人間には認識されちゃいけないし、体力使うんだよ。そんでもって地理にも疎いもんだから、うろうろしてるうちに飛行機に体当たりされてここに落下しちゃったんだよね」

  僕はそろそろとあとずさりして逃げる準備をしていたんだけど、そのヤバイ外人は僕の方を見て、また話しかけてきた。

 「どっちにしてもありがとう。僕のことが見える人がいてよかったよ。ほんとに運がよかった。お礼に何か上げたいんだけど、えーっと、今たいしたものはもってないなあ」

  とかいって、ジャケットのポケットをごそごそして中から何かをとりだした。

 「ごめんね。ほんとにたいしたもんがなくて。えーっと、こっちがアカシックレコードの書き損じを溶かして薄めて普通の紙に漉き込んだ再生紙をつかってつくった『死亡フラグ』。で、こっちが同じ紙をつかった『貼り付けメモ』。『死亡フラグ』はこれを誰かに突き刺すと1週間以内に必ず死ぬという機能があって、『貼り付けメモ』は何かを書いて人に貼り付けたら書いたとおりになる、ただしこっちの方は「死ぬ」と書いても効力はない。どっちにする?」

  彼の手の上にあるのはお子様ランチの上に立っているような爪楊枝に紙を貼り付けた小さな旗と、ごく普通の付箋―いわゆるポストイットカードだった。

  イタい。これはそうとうイタい。これは中途半端な断り方をしたら、きっとめんどくさいことになる。

  僕は仕方なく

 「ええと、それじゃ、そのメモのほうを…」

  と答える。『死亡フラグ』なんて冗談にしても物騒だし、メモの方がまだ何かに使えそうだ。

 「そっか。うん。君ならきっと使いこなせるよ。それから、一つ聞きたいんだけど」

 「はい?」

 「山田さんの家ってわかる?」

 「山田さん…山田屋敷のことですか?」

  この町の高台にはものすごく大きな家が建っている。みんなは山田屋敷と呼んでいるけどあまり近づいた人はいない。

  山田屋敷と言うぐらいだから、たぶん山田さんという人が住んでいると思うんだけど。

 「それ、どこかなあ」

  山田屋敷ならこの町のどこからでも見ることが出来る。僕は高台の屋敷を指さして教えてやった。

 「あ、あれかぁ。それじゃ、どうもありがとう。たすかったよ」

  と、その外人は言うと、背中の羽をばたばたと羽ばたかせて高く舞い上がった。

 「え、え、えええええ!!!!!」

  腰を抜かした僕に彼は手を振って、山田屋敷の方へ飛んで行ってしまった。

 「な、な、なんだありゃ。え、え?」

  僕は周りを見回してみる。何人かの人が行き来してるが誰も気づいてはいないようだ。

 「まさか…天使?」

  背中から羽が生えているというのは僕の知識の中では天使しかおもいつかないし、アカシックなんとかってそれっぽいことも言ってたし。

 「ということは…」


  このメモも本物の可能性があるということだろうか。

  あらためてもらったメモを見てみる。裏に「made in heaven 天国観光局」という印が押してある。

  これって…「みやげもの?」



  家に帰って僕はメモを前に腕組みをして非常に悩んでいる。

  仮にこれが本物の天国製のメモで、書いたとおりのことが起こるとしよう。

  もしそうなら、彼女なんて作り放題、イヤラシイこともやり放題ということなんだけど。

  でも、これを本気にして、たとえば「僕とセックスがしたい」とか書いて女の子に貼り付けるなんてリスキーなことが出来るわけがない。

    もしただのメモなら新手の変態として僕はフルボッコされるであろう。

  かといって本物ならこんなチャンスを見逃す手はない。でもぼくには試すにも兄弟姉妹もいない。

  親に試すのもなんだかだし。ううん、いくら悩んでもいい考えが浮かんでこない。とりあえず寝ることにした。


  翌日の学校で僕はまだ悩んでいた。

  そんな僕の肩をたたくやつが。

 「よう、桐原、どうした」

  渡辺だ。そうだ、渡辺がいた。幼稚園からの幼なじみで今でも一番の親友の渡辺。

  こいつなら少々のことをしても冗談で済ますことが出来るだろう。

  といっても、こいつとイヤらしいことをする訳じゃない。

 「渡辺さあ」

 「ん?」

 「おまえ、包茎だったよなあ」

 「バ、バカ、こんなところで何言い出すんだよ。ケンカ売ってんのかお前」

  渡辺が顔を真っ赤にしておこりだす。一番気にしていることなのだ。

 「まあ、まあ、怒るな。僕がそれを治してやろうっていうんだから」

 「治すぅ?おまえがぁ?どうやって?バカにしてんのかオレを!?」

  僕はメモに「渡辺のち○ぽはムケてるち○ぽ。どこに出しても恥ずかしくない、りっぱなち○ぽ」と書き込んだ。

  字を書いたところで何が起こるわけでもない。ふつうの付箋だった。

  これをこいつに貼り付ければいいわけか。

  とりあえず隙を突いて僕はメモを渡辺のおでこに貼り付けた。

  メモは吸い込まれるようにすぐに見えなくなる。

 「…お、消えた」

  僕はじっと渡辺の顔を見ている。何も変化がないように見えるけど。

 「渡辺、どうだ」

 「どうだって何が」

 「包茎は治ってる感じか?」

 「なんだよ、いきなり包茎なんて人聞きの悪い。おれはとっくにムケてるの。お前と違って」

 「え?だって、渡辺…」

 「疑うのかよ。じゃ、こっちこいよ。ちょっとだけ見せてやる。ほら」

    教室の隅の方で僕は渡辺のゆるめたズボンの中をのぞかせてもらう。それはしっかりムケていてしかも、おそろしく立派なイチモツだった。これなら見せて自慢したくもなるだろう。

 「よかったなあ。渡辺。包茎が治って」

 「だからあ、バカかお前は。お前だって知ってるはずだろ。オレは小学校出る前からムケてんだよ。みせてやったろ。おぼえてないのか」

  どういうことだろう。このメモに書いたことは現実になるだけではなく、まえまえからそうだったというようにちょっと大げさに言えば「歴史」が書き換えられてしまうもののようだ。

  僕は渡辺だけがりっぱなち○ぽになるのがなんか腹立たしくなってきた。

    僕がそうしてやったのに感謝もされないなんて何かイヤだ。

  貼ったメモをはがしてやろう。でもどうやってはがすんだろう、と思って渡辺の顔を見たら今度はちゃんとメモが見えている。

  僕は手を伸ばしてそれをパッとはぎ取った。ただそれだけ。何も変化はないように見える。

 「おい、どうやって治すんだよ、なあ、桐原」渡辺が真剣な顔で僕を見ている。

  やはりあのメモは、はがすとそれによって起こった変化はなかったことになるらしい。

 「ふん、お前なんか一生包茎でいろ。ばーか」

 「あああ、やっぱりバカにしてるんだ。くそう、こらー、まてー!!!」

  僕は渡辺から逃げ回りながらも心の中でガッツポーズをとっていた。

  使える。このメモは使える。


  使えるのがわかったとはいうものの、まだ実際に女の子に貼り付ける勇気はない。

  もっと確実にこれの使い方を確かめた上でないとまだこわい。慎重を期すに越したことはない。

  というわけで、また渡辺を利用することにした。

  渡辺の包茎を治してまたもとにもどしたその翌日、昨日のことをあやまるという口実で家に渡辺を呼んだ。


    渡辺が家に来るのはいつものことなので、いつものように買ってきたポテトチップスを適当に食いながら居間でやりかけていたゲームの続きをしている。

  家族は出かけていていない。いろいろと試してみるチャンスだ。

  飲み物を用意すると言って僕は台所でメモを取り出してさらさらと文章を書き込んだ。

 「幼なじみの渡辺は僕好みの美少女で、僕に思いを寄せている」。

  そしてゲームに夢中になっている渡辺に背後から忍び寄り、そっと背中にメモを貼り付けてやった。

  おでこにはった時と同じようにメモはスっと姿を消す。

  そしていつのまにやら、いいにおいをぷんぷん放っているミニスカート姿の小柄な少女がそこにいた。

 「わたなべ…」

 「なあに?」

  振り向いたその顔を見た瞬間、僕は金縛りにあったようになる。

 「かわいい…」ぽかんと口をあけて数秒間みつめてしまった。パーフェクトな美少女だ。

  そりゃまあ、「僕好みの美少女」と書いたのだからあたりまえといえばあたりまえなのだが、実際にそこにあらわれてみると想像以上の感動なのだ。

  小さな愛くるしい顔も、びっくりしたような大きな目も、きゃしゃな体に不釣り合いな胸の大きさもニーハイとミニスカの間にある健康的な太もももなにもかもが僕のハートをわしづかみだ。

 「なにしてんのよ。ゲームの続き、やろうよぅ」

  声まで泣きたいほどかわいい。

 「おまえ、渡辺、だよなあ」

 「なにいってんの。なんかおかしいよ。桐原」

  うわあ、こんなかわいい娘に名前を呼ばれた。夢のようだ。涙が出る。

 「とりあえず…、これ、ジュースな…」まだ、僕は美少女渡辺に見とれてぼーっとしている。

 「ありがと。ね、桐原の番だよ」

 「う、うん」

  うわの空でコントローラーを受け取る。何のゲームをやってるんだかまるでわかってない。

  当然のように、あっというまにゲームオーバー。

 「あはははは、なにやってんだよう。あははは、たーのしーい!!」

  美少女渡辺はそうやって僕の肩にもたれかかってくる。


  心拍数が高くなる。呼吸が苦しい。

 「ねえねえ、次、何やる?」

  小首をかしげて僕をじっと見る、かわいい渡辺。

    もう、もうたまらない。次の瞬間「渡辺〜!!好きだ〜!!!」と叫びながら僕は美少女渡辺を押し倒していた。

 「ああん、桐原ったらあ、だめだよう…」

  といいながら、強く抵抗はしない。なんせ僕に思いを寄せている美少女なので拒むことはないのだ。

  あの渡辺を抱く、ということに少々違和感はあるが、目の前にいる美少女のパフォーマンスに男として抵抗できない。もう僕の勢いはとまらない。

  またたく間にスカートをはぎ取り制服を全部脱がして下着姿にしてやった。

 「いやん」

  恥ずかしそうな顔がそそるよ、渡辺。

 「ブラジャーとパンティは自分で脱げよ」

  ちょっと怖そうな声で僕が命令すると。美少女渡辺はほほを染めた顔でこくんとうなずき、なんとももどかしそうにブラジャーを外しパンティーをするっと脱いでしまう。

  透き通るような白い肌。細くくびれた腰にぽろんと飛び出たおおきくてきれいなおっぱい。理想だ。僕の理想だ。


 「渡辺…」

 「いや。アキラって呼んで…。桐原のことはユーヤって呼ぶから」

  ちょっとすねたようなその顔がまたかわいい。

 「ア、アキラ。好きだ。愛してる。僕のものになってくれ」

 「ハイ!」にっこり笑ってこくんとうなずく美少女渡辺。

  今度はそっと、その小さな体を抱きしめてやる。さらさらの肌、ほんわかと伝わってくる体温。

  なにもかも経験したことのない感覚だ。

 「うん…。すきだ…。アキラ…」

 「やっと、やっとだね」美少女渡辺が小さな声でささやくように言う。

 「ずっと、ずっと 好きだったんだから。幼稚園の時から…」

 「僕も、だよ」

 「うそばっか。私ずっとユーヤのこと見てたのに、ぜんぜん見向きもしてくれなかったくせに…」

  美少女渡辺はうつむいてポタポタと涙を流し始める。

 「あ、ああ、その、ごめん…」

 「ううん、違うの、うれしいの。ねえ…」

 「うん?」

 「キスして…」

  美少女渡辺が目を閉じた。なんてシチュエーションだ。こんな可愛い女の子が目をつぶり震えながら僕の口づけを待っている。心臓のバクバクがとまらない。

 「ねえ、はやくぅ」

 「はい、はい!!」

  もうせかされるまま、心の準備も出来ていないまま、僕は彼女を抱き寄せ口づける。

  こんなやりかたでいいんだろうか。

 「ちゅ…ちゅ、ううん」

  彼女も僕にしがみついてくる。

  僕はもう、キスしてるんだかなんだか、感触を味わうなんて余裕はまるでない。

  くちびるをとりあえず合わせて、後はどうしていいかわからないまま、しばらく抱き合っていると美少女渡辺がくちびるのあいだからちろちろと舌を出してきた。

  僕も負けじとちろちろ舌を出す。どちらからということもなくディープキスがはじまった。

  「れろ、れろ、れろん、はあ、はあ…」

  「ちゅるん、ちゅる…」

  胸のドキドキはまだつづいているが、なにかドキドキの種類が変わってきたような気がする。

  「ちゅる、ぷはあ…。ユーヤ、なんだか暑い…」

  「僕も、体中が、なんか変だ」

  あとは何を言っていいのかわからずに、ただ見つめ合ってしまう。

  美少女渡辺の大きな瞳の中に妖しい炎が揺らいでいる。

  いま僕は、はっきりとわかる。美少女渡辺であるところのアキラちゃんは僕に欲情しているのだ。抱かれたくて仕方ないのだ。

 「いいね?」

  思いっきり優しい声でささやいてやる。

  美少女渡辺はちょっとだけ目をそらしてコクンとうなずいた。

  僕は自分に「ようし、落ち着け、落ち着け。あせるんじゃない」といいきかせながらあえてゆっくりと服を脱いでいく。

  こうして二人ともが全裸になったところで、あらためてしっかりと美少女渡辺をだきしめた。

  「アキラちゃん…あったかい」

  「ユーヤもだよ…」

  これからセックスが始まる。僕はこういうときはものすごくエッチなことで頭がいっぱいになっているのかと思ったけど想像と違って、今は何も考えていない、というか考えられない。

  いやらしい感じは全然しない。ただ美少女渡辺が可愛いと思うだけ。

  そのかわりというか、体の方がかってにギンギンになっている。

  股間はいままで見たことがないほど屹立しているが、なんだか人ごとのように実感がない。

  いつのまにかドキドキもおさまって僕は淡々とやるべきことを始めていた。

  彼女の髪をなで、軽くくちびるにキスをして、そのキスが次第に下へ下へと移動する。

 「はあ、ふうん?」という彼女の反応をたのしみながら愛撫を深めていく。

 「あああん」と美少女渡辺がのけぞるのがおもしろくて何度も乳首を舐めながらクリ○リスを指ではじいた。

  幸せだ。ものすごく満たされた気分だ。

  彼女の高まりも手に取るようにわかる。こういうのをきっと相性がいいって言うんだろう。

  渡辺とは長年のつきあいで何も言わずともわかり合える仲だった。

  それはきっとそのままなんだ。

  お互いに最高の状態に達したところで、ごく自然に挿入を始める。

 「…いくよ」

 「…うん」

  ぬぷ。先端だけが入る。「はあ」「はあ」二人同時にため息が出る。

  ぼくは大きく息をしてそれからおもむろにゆっくりと挿入していく。

  処女である美少女渡辺にできるだけ苦痛を与えないように、幸せな時間が少しでも長く続くように思いを込めて少しずつ、少しずつ。

 「あ?う、くぅぅ」

  美少女渡辺の震えが、ち○ぽを通じて伝わってくる。

 「大丈夫?」

 「うん、だいじょうぶだよ。いたくないよ。つづけて…」

 「よし…」

  僕の分身はすべて美少女渡辺の中にはいりきってしまった。

  童貞喪失の瞬間だ。


  ああ、いま僕は美少女渡辺とつながっている。

  しかしそれにしてもまさか渡辺に童貞を奪われることになるとは夢にも思っていなかったなあ。

  美少女渡辺のま○この「中」は本当に気持ちいい。セックスが気持ちいいことは想像していたけれど、こんなに気持ちが安らかになるものだとは知らなかった。


  美少女渡辺とつながったまま見つめ合う。かわいい、そして、なんてイヤラシイ顔をしてるんだ。

  改めて気づく、女の子のいい香り。つよいフェロモン臭。

 「う…」

  油断をした。いままで冷静だったのに、いやらしい気分が吹き出すように頭の中にムラムラと湧いてくる。

  ち○ぽがビリビリと、ものすごく気持ちよくなってしまって…。

 「あ、あ、あ、だめだ。でる、うう」どぴゅ、ぴゅぴゅぴゅ…。

  歯を食いしばっても大声を出しても脚を突っ張ってもどうしても止めることの出来なかった射精。

 「あ、ああん。わたしもぉぉぉ。く、くううううううう!!!!」

  美少女渡辺もまったく同時に絶頂に達していた。


 「うふふ。でちゃったね。きもち…よかった?」

  可愛い美少女渡辺の顔を見ていると、またムラムラが止まらなくなってくる。勝手に股間がムクムクと元気を取り戻す。

 「ああ、アキラ。かわいいよ」

  僕はふたたびギンギンになったち○ぽの先を渡辺のま○この入り口にそっとあてがったまま彼女の顔を見る。

  美少女渡辺は期待に満ちた目で僕を見返し、少しだけいたずらっぽくほほえむ。

  かわいい、そしてたまらなく淫靡な笑顔、それだけで僕はもう漏らしてしまいそうだ。

 「うおおお!!」

  さらに固くなった熱い僕のそれがぬるっと美少女渡辺の中に再び入り込む。「ああ!!、くううう」その瞬間に渡辺の発するよがり声がまた僕の脳髄を刺激する。

  美少女渡辺の抜群の反応のよさに僕の劣情が著しく呼応するのだ。こういうのをリズムがあうというのだろうか。

  いやそれ以上の相性の良さだ。お互いがお互いを増幅し合いどこまでもいってしまうブレーキのきかない状態にもはや入っている。

  数え切れないほど、何度も何度もイってしまったような気がする。もうろうとしてなんだかよくわからなくなってる。

  なんか、ヤバイ感じだ。僕はもう美少女渡辺が好きで好きで、やりたくてやりたくてたまらない。

  いくらだっていつまでだって出来る気がする。1秒だって離れたくない。

    おそらく、このままでは僕は渡辺におぼれすぎて廃人になってしまう。

  いつも顔をつきあわせていると抱かずにはいられなくなるだろうし一度始まると精根尽き果てるまで終わることがない。ううむ、廃人どころか確実に死ぬな。

  つらいけど、惜しいけどメモをはずして元の渡辺に戻そう。また会いたくなれば美少女渡辺にしてしまえばいいだけの話だし。

  僕は未練を残しつつ、隙を見て美少女渡辺の背中からメモをはがした。

  次の瞬間、いままで僕とつながっていたはずの渡辺はいつのまにかテレビに向かい合ってゲームに熱中していた。

 「よーし、5人抜き−!!みたかー!桐原!!」

 「お、おう…」

  幼なじみの渡辺だ。もちろん男だ。メモをはがせばすべてなかったことになるのだから当然だ。

  こいつにも僕に犯された記憶なんてないだろう。いや、そもそもそんな事実がないのだ。

 「桐原、なにじっとみてんだよ?」

 「いや、なんでもないよ。おまえって…いいやつだなあ」

  僕はなみだをうかべながら、また渡辺を抱きしめてしまった。

  美少女渡辺の感触がまだ腕に残っている。あれは確かに渡辺だった。姿形は全く違ったけど僕にはわかる。

  突然の僕の愛情表現に当然、渡辺はおどろきとまどう。

 「お、おい、なんだよ。おまえ。そういう趣味があるのかよ」と冗談めかして言うのだが。

 「あったら、どうする?ともだち、やめるか?」

  マジで答えてやるとかえって渡辺の方がたじろいでしまう。

 「え?いや、その。オレにだって、心の準備というものが…」

  僕は大笑いしてしまう。渡辺、おまえ、いいやつだ。


  結論として、このメモは使えるどころではないということがわかった。

  僕も童貞ではなくなったわけだ。

  まあ、実際にはそういうことはなかったということになっているが僕自身の中では僕は女を知っているのだ。

  これからはガンガン行くぞ〜、というわけでとりあえずメモに

 「私は桐原君のセックスフレンド。桐原君に求められたらいつでもどこでも何でもしてあげる。それが私の喜び」

  と10枚ほど書き込んで、街に出ることにした。


    <続く>

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