ショート・ストーリーズ2




  街角



 「あの、ちょっとよろしいでしょうか?」

  年末で人のごった返す都会の真ん中で私は、おどおどした青年に呼び止められた。

 「なに?ナンパ?なら向こうへ行って。私急いでるの」

 「いや、ナンパじゃないんですけど……」

 「じゃ、何よ」

 「えーと、そのー、あのー」

  はっきりしない態度にいらいらする。

 「もう、いくわよ」

 「あ、わわわわわ。あ」

  青年はあわてて私の目の前に指をつきだすと奇妙な動かし方で音を鳴らした。

 「パチン、パチン」

 「……?」

  その瞬間、なにがなんだかわからなくなる。

 「あれ?」

  私はどこから来たのか何をしようとしていたのか、目の前で起こっていることも何も理解出来ない。

  いきなり大海の真ん中に落とされたような気分になる。

 「えーと、私……」

 「だいじょうぶですよ。さ、僕と一緒に行きましょう。少し休んだほうがいい」

 「え、ええ……」

  誰だかよくわからない青年のいうままに私はついていった。

  意識もうすれて、何もかも実感がない。まるで夢のなかで雲の上を歩いているように思える。

 「着きました」

  ついたらしいが、ここがどこかよくわからない。

  ただ、さっきよりは意識がはっきりしてきた。

 「えーと。あなたはさっき私を呼び止めた人、よね」

 「ええ、そうです。実は自分の作った料理をいろんな人に食べてもらって意見がもらいたくて声をかけたんです」

 「ああ、そういうこと」

  よく考えれば相当無理のある話だが、私は納得してしまっていた。

 「お願いします。これなんですけど、食べてもらえますか」

  青年はなにやら黒っぽい棒状のものを目の前に出した。

 「見た目はイマイチだけど……」

  とりあえず口に含んでやる。

 「はう…」

  たかが料理を食べただけなのに変な声を出す。

  食べてみると味はまあまあだ。もっと味わうためにしゃぶり続けた。

  舐めるほどに硬さが変わってくるのが不思議だが、もっともっと舐め続けたい気持ちになってくる。

  しばらく舐めているとその料理から、肉汁というかスープらしきものがピュッと吹き出した。

  十分に味わった後飲み込んだが、これはなかなかの味だった。

 「うん、美味しかったよ。いいんじゃない。じゃ、これで行っていいかな」

  用事も済んだし私は行ってしまおうとしたのだが。

 「すいません。ついでにもう一つの口でもあじわってもらえませんか」

 「えー!?」

  めんどくさいこと言うやつだ。たしかに食べ物は2つの口でたべてみないと本当の味はわからない、というが。

 「わかったわ」

  わたしは裸になって青年の上にまたがる。

  青年の料理をもう一つの口でくわえ込んで一気に奥まで押しこむ。

 「ああ!!」

 「うううう!!」

  今度は二人同時に声が出た。

 「あう、おいしいわ。こっちで食べたほうが格段にいい!!!!体中にびりびりくる」

  もっと味わうために私は腰を激しく上下させる。

  さっきのスープをもう一度味わいたい。こっちの口でも堪能したい。

 「ねえ、出して、さっきのスープ、もう一回!!」

 「は、は、はい!!あ、ピュ、ピュピュピュ…」

 「ああん、、いい。おいしい。おいしいわ。ねえ、もうイっていいかな」

 「いいですよ。イってください」

 「あ、あ、あんん。イ、イくううう!!!!」

  やっとイかしてもらうことができた。私は満足だ。


 「はい、そのまま、意識がすーっと消えて行く。これから僕の言うことは貴方の心のなかにしっかりと染み付いて離れない。必ずそのとおりになる。それが貴方にとってもとても幸せなことです。今、僕の言うことは意識の上では忘れてしまいますが。かならずそうなります……」

 

  目が覚めると、そこにはご主人様がいた。

 「ああ、ご主人様」

 「今日から君は僕に使える肉奴隷になったんだよ。よかったね」

 「はい、私、幸せです」

  私は心底、自分の幸福に酔いしれる。それから私は精一杯、私の体でご主人様がよろこんでいただけるよう奉仕をした。


  私にもやっとご主人様ができたんだ、という幸せな思いでいっぱいで帰りの電車の中でもおもわずにんまりしてしまった。

  人に変な目で見られても気にならない。ご主人様にいっぱい揉んで吸ってもらった自分の胸に手を当てると、何だか切なくなってため息が出てしまう。

  ご主人様のことを思って、今夜は一人で快感に浸ってしまうかもしれない、というかもう我慢できなくなってきている。

 「はあ、はあ、ご主人様……くぅぅ…」 イってしまった。



  気弱そうな青年は今日も街角に立つ。

 「あの、すいません」

  今日、声をかけたのはギャル風の二人組だ。

  少し悶着があったようだが、しばらくするとふらふらと二人の女が青年についていく様子が見られた。

  やがて三人はラブホテルの中に消える。

  明け方。二人の女は去っていく青年に深々と礼をして見送っていたのだった。

  そして、その表情は歓喜に満ちあふれていた。



 洗脳体験


 「貴方はすでに洗脳されているのですが、実感はありますか?」

 「はあ」

  よくわからない。

 「そう言われましても、たとえば…」

 「そう、例えばですね。あなたの隣に男性が立っていますが、彼のチ○ポを舐めていただけますか」

 「はあ、はい」

 男がズボンを下げてチ○ポをだしたので朱美は、それを口に含んで舐めだす。

 「ちゅぱ、ちゅぱ、ちゅるる…」

 「えー、舐めながら聞いてください」

 「チュルン、ほぁい」

 「洗脳する前の貴方なら、チ○ポを舐めてくださいといえば拒んでいました。わかりますか」

 「ふぁあ?」

  なぜ拒むのだろう。朱美には拒む理由がわからない。

 「ちゅぽ。からかってらっしゃるのですか。私が、というよりチ○ポを舐めてくれと言われて断る女の人がいるわけないじゃないですか」

 「では、セックスはどうですか。彼がセックスしたいといえばセックスしますか」

  なんというバカな質問だろうか。

 「当たり前じゃないですか。私みたいなクサレマ○コ女がセックスしてもらえるなんて、そんな嬉しいことはないのに、断るなんてありえません」

 「今のあなたの夢はなんですか」

 「それは、それはもちろん…。村瀬様のチ○ポを私のマ○コにいれることです」

 「洗脳前の貴方なら決してセックスなんてさせることはなかったでしょう」

 「えー!!うそでしょう。そんな…」

  朱美はショックで絶句する。もしホントなら洗脳前の私は鼻持ちならない大馬鹿女だ。

 「でも、あなたは正しい人格に矯正されました。私とセックスをしますか?」

 「ええええ!?よろしいんですか。お願いします。お願いします。ぜひ村瀬様のチ○ポを私にください」

 


  女子会


 「わーん、靖子〜ひさしぶり〜」

 「ああ、真希。元気ィ?半年ぶりだよね。麗奈は先月会ったっけ」

 「うん、靖子。あれ、髪切った?」

 「えへ、今日切ってきた。で、貴美子はまだ?」

 「もうすぐ来ると思うんだけど、メールしてみようか……。あ、来た来た」

 「やっほー、遅れてゴメーン」

  やっと4人が揃った。今日は昔の仕事仲間のひさしぶりの女子会だ。

  カラオケボックスを利用しているのだがほとんど歌は歌わずにおしゃべりばかりというのがいつものパターン。

  今日も4人揃ったとたんに、やかましいまでのトークバトルだ。

  好きな芸能人の話、仕事の話、嫌な上司の話……。

  日頃の鬱憤をぶちまけるかのように、切れ間なく会話が続いていく。

  充実した恋愛話がでてこないのが少し気になるところではあるが。

  そうこうするうち、だれからともなく昔の仕事の思い出話が始まる。

 「いつもさあ、おんなじ時間に来て、コーヒー一杯だけ飲んで帰る客いたじゃん」

 「あ、いたいた。コーヒーオヤジ」

 「こないだ、偶然駅でみかけちゃって」

 「うそ、マジ?あのオヤジまだあの店通ってんのかな」

 「さあ、そこまではわからないけど」

  彼女たちの勤めていたのはチェーンのカフェレストランだ。

 「そういえば、坂井ってどうしてんだろ。まだ店長やってんのかな」

 「うーん、店、全然行ってないし、知ってる娘全部やめちゃってるから情報も入ってこないしなあ」

 「なになに、あのキモイ店長の事?」

 「うわ、坂井?思い出すだけでちょっと寒気するんだけど」

  彼女たち全員が笑う。

 「なんで、あんな陰気な使えないメガネ野郎が店長なんかやってたんだろうね」

 「なんか不気味だよね。特技は催眠術ですとか自己紹介で言われてもって感じで」

 「ほんと、ほんと」

 「……って真希、いいの?そんなこと言っちゃって」

  麗奈が意味ありげなほほ笑みを浮かべて真希に言う。

 「え?なに?どういう意味……」

  不振な顔で真希が聞き返す。

 「なにって、その……真希は店長と付き合ってたんじゃないかなあって」

 「な、なによ、それ!!いい加減なこと言わないでよ」

 「私、見たのよ。真希と店長が手をつないで歩いてるとこ」

 「うそよ、私そんなことしたことない。それって靖子とまちがってるんじゃない?」

 「何よ。真希。どさくさに紛れて何いいだすのよ」

  とばっちりの飛んできた靖子が怒る。

 「ごめん、靖子。黙ってようと思ってたんだけど、私見ちゃったの」

 「見たって。何を」

 「閉店してから、倉庫の奥で靖子と店長がキスしてるとこ……」

 「な、な、な、な、んなバカなこと。そんなことあるわけ無いじゃん。そんな気味悪いこと。だれと見間違えたのよ。もしかして貴美子?」

  今度は貴美子だ。

 「もう〜やめてよ。みんな、おかしいよ。そんなわけないじゃん」

 「私、ずっと知らないふりしてたけど知ってるの。店長の携帯に貴美子と店長がベッドの中でツーショットで写っている写真があるの。貴美子、うれしそうにVサインしてるやつ」

 「うそ、うそ、うそよ!!ありえない!!!麗奈じゃあるまいし、そんないやらしいこと」

  今度は麗奈が驚いて叫ぶ。

 「なによ、貴美子。私が何したって言うのよ」

 「知らないと思ってるの?あんたと店長が公園で激しく愛し合ってるところ、バッチリ見てるのよ。店長に胸を揉まれて嬉しそうにあえいでる麗奈の顔、忘れないわ」

 「やだやだやだ!!やめて!!想像するだけでも身の毛がよだっちゃう!!!!」

  険悪な空気が4人をつつむ。

 「……。ちょっとまって。何かおかしくない?みんな、たしかに誰かが店長と関係を持っているところを目撃してるわけね」

 「ええ、うそじゃない。はっきり覚えてる」

 「わたしも」

 「わたしも」

 「わたしも……。でも、みんなが嘘をついてるようには思えない。でも自分には覚えがない」

 「……」

  今度は不気味な沈黙が4人の間に広がっていく。

  何かを忘れている。なにか大切な事を。

 「もう……帰ろうか」  「うん、なんか怖くなってきた」

  大きな不安が胸を締め付ける。ここにいてはいけないと何かが自分に告げているように感じる。

  そのとき、ルームのドアがそっと開かれた。

 「やあ」

 「て……」

 「店長!?」

 「久しぶりだねえ。君たち。と言っても君たちが覚えていないだけで私は全然ひさしぶりでもないんだけどね」

  抑揚のない声でぼそぼそと店長―坂井が話しだす。

 「何で……何を?」

 「何でここがわかったかって?貴美子、教えてくれたのは君だろ?せっかく4人が集まるんだからぜひとも僕も参加したいと思ってね。迷惑かな?」

 「迷惑も何も、もう私たち帰るところなんで、すいませんけど」

 「そんな冷たいこといわないでよ、真希ちゃん」

  ちゃんづけで呼ばれて真希は凍りつく。

 「そ、そんな呼び方やめてください。もう、帰って!!!」

 「ふふん、怒った顔もかわいいね。これでも帰って欲しいっていうかな」

  坂井は真希の側まで不意に近寄ると耳元に何かを囁いた。

 「え?」真希は一瞬無表情になり、そして。

 「ああ〜ん。店長〜。真希、さびしかったんだからぁ」

 「え?」

  他の3人は唖然とする。

  真希は、もうとろけるような表情に変わって体をしきりに坂井に擦りつけて甘えている。

 「ねえん。きょうも真希に、いっぱいしてくれるんでしょ?」

 「ああ。でも他の3人がどういうかな?」

 「坂井さん、真希に一体何をしたの?場合によってはゆるさないわよ」

 「へへえ。麗奈はあいかわらずこわいなあ」

  坂井は今度は麗奈に素早く近づいてまた何かを囁く。その瞬間麗奈の表情が激変した。

 「やだぁ。ごめん。私なんか変だった?正樹に怒ったりなんかして……。うふふ」

  今度は麗奈が坂井に近づき、なんと耳に息を吹きかけながら男の股間をまさぐるという痴態を演じる。

  その目はトロンとして坂井の顔だけを見つめている。

 「何、何、なんなの?」

  貴美子はパニックに陥っている。そんな貴美子にも坂井は近づき一言囁く。

  貴美子は大きく目を見開いてから、やがて頬を赤く染めて男の顔をじっと見つめだす。

 「正樹さん。ああ、正樹さん」

  貴美子はひざまずき坂井の手を両手で愛おしそうに撫で回す。やがて感極まった表情でぺろぺろと手を舐めだした。

  坂井の前にかしずき奉仕をしはじめる3人の友人を見て靖子は恐怖におののく。

  逃げなければ、私もこの男の思いのままになってしまう。逃げなければ、なんとしても。

  なりふり構わず彼らの横をすり抜けてドアへ走りこもうとする靖子の腕を坂井がグッと掴んで耳元に口を寄せた。

 「open your heart」

 「あ、ああ……」

  頭の中がすっと楽になる。とても平和で穏やかな気分だ。幸福感が心の底から沸き上がってくる。

  なんて幸せ。そして、目の前に坂井のいつもの優しい顔。私を愛で包み込んでくれる素敵な旦那様。

  愛おしい。狂いそうなほどに愛おしい人。

 「旦那様。ねえ、きつく抱いて」

  自分を抑えきれず甘え声が出てしまう。

 「おお、こっちこい。靖子」

 「ああん、うれしい」

  坂井にくねくねとまとわりつく4人の女。発情しきった熱い吐息の渦巻きの中で男はニンマリと笑った。

 「さあ、いこうか」

 「はい……」

  愛する店長に再び身を捧げることが出来る日が来た喜びに打ち震える女たち。

  そして5人は闇に消えていった。

  

<終>  

この作品を拍手で評価してください。こちらへどうぞ

戻る      

動画 アダルト動画 ライブチャット